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2012年2月28日火曜日

教えるということ

著者の名前を聞けば ああ、大村はま、、、ね というぐらいのビッグネームなんだが、正直今まで呼んだことがなかった。今回、神さんから「いいから読んでおけ」と言われてかなり古ぼけた本を貸してもらったのだが、内容には驚かされる。

有吉まつこの新三大○○で流れるナレーション風にいうならば
「皆様に知っていただきたいのは、昭和40年代の講演会での講演録であるということ」

ほぼ半世紀前にこの内容、この意識。大村はまってすごく教育界では評価されていると思うのだが、この内容を評価する姿勢が教育界全体にあったのなら、この講演から40年近くたった今はもっと学校って良くなっていていいんじゃないだろうか。なぜ、大村はまの主張が根付いていないのか信じられない。

「次に講演の内容が、昭和初期(戦前)の大村はまが初任だったころの話に基づく体験談で、戦前の教育はとても先進的でリベラルなとても軍国主義的なものではなかったということ」

東京女子大を卒業した大村はまが、長野の教師として10年ほど初任の期間を過ごす話があるのだが、その時の校長や先輩達の対応は今では考えられないほど余裕を持ったものであったという。
教師は、新人でもスタートから一人前の仕事をしなくてはならないものではあるが、それでも経験を積んで行く中で成長するための余裕が必要なのではないかということを感じさせる。ただ、これは当時の高校以上の学校での話なので、今の高校とはおかれている状況(高校進学率や生徒の学習意識の高さなど)がかなり異なるので単純比較は難しいだろう。

全体を通じて、教えることの厳しさ、つらさや 教える側の心構えなど生半可な意識ではとても成立しないという厳しい論調を とてもソフトで上品な表現で包んでおり、もともと国語の専門家であるがさすがと感心させられる。

それにしても 教えるということは 厳しいね



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