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2009年8月6日木曜日

なんで太陽光発電が盛り上がらないのか

まえまえから、FITや自治体の補助があっても、太陽光発電が盛り上がらない理由は何なのか?自分の中で整理がつかなかったんだが、出勤途中歩きながら考えたら なんかまとまった気がするのでメモっておく。

1.地球温暖化対策とセットにされていることによるマイナス効果
 思うに、太陽光発電の導入メリットとして「地球温暖化対策」をあげていることがあるが、それが逆効果になっていると思う。なぜか。
 今現在、「地球温暖化対策」に正面から反対するのは、正直イメージがあまり良くないと思う。「氷がなくなって生活できない白熊可哀想」「海面上昇で島が沈んでしまう南の島の人可哀想」・・・基本的に温暖化の結果は、不幸な人が増えるというイメージがTVで繰り返されている以上、温暖化対策に反対する行為は、「可哀想な人をさらに追い込む行為」とダブり、その行為自体がマイナスイメージになるので積極的に反対するのははばかられるのが一般的心情だろう。
 では、「温暖化対策を行うことが、対策者のメリットになるのか?」というと、実はこれがかなり曖昧な状態になっていることを、温暖化対策を声高に進める人達はあまりにも軽視していると思う。
 温暖化対策をした人は、しない人より温暖化の影響を受けないのか?否 影響は等しくみんなで受ける
 温暖化対策をした人は、しない人より金銭的なメリットがあるのか?否 費用はあきらかに対策をしないほうが出費が少ない。
 温暖化対策をしない人は、した人より大きな温暖化の影響を受けるのか?否 温暖化対策をしないからといって、した人より大きなダメージを受けるわけではない。

 温暖化対策をしようがしまいが、水没する低地に住んでいる人は、高地に住んでいる人よりより大きな水位変化の影響を受けるし、先に影響が来ることには違いはないのだ。

 こう考えると、「温暖化対策のため」に何かするのは、余裕がある人が見返りを期待せずに行う行為にかなり近い。ぶっちゃけ「趣味」とか「嗜好品」と同じですな。逆に言うとある行為の目的が「温暖化対策」と言われると、その行為は「見返りを期待しない(できない)」種類のものと受け取られるのでは。

 一般の人の頭の中では、上のような損得勘定が働いて、「太陽光発電設備の設置」は「温暖化対策」となると、「そんなメリットを実感できないような行為をするような余裕は無いよ」となっているんではないかなぁ。

2.今の太陽光発電推進施策は、「太陽光発電事業者が儲かるだけ」に見える。
 太陽光発電設備の設置を勧める論法に「補助金(税金)を投入してでも、太陽光発電設備の市場を大きくすることで、生産性をあげ、単価を下げればどんどん導入しやすくなる正のサイクルが動く」というのがある。設備が増えれば「製造、設置などで仕事も増える」ということも含まれている。
 ただ、これって「自分の仕事への直結度(その効果を実感できる)」は低い人のほうが圧倒的に多い。太陽光発電パネルを生産してる工場がある地域が失業率が低いとか、他の産業より収入が多い などということなら別だが、別に一般的な工場と違いがあるわけでもないのでそんなこともない。
 てことは、太陽光発電が普及しても 儲かるのは関連業者だけ???っと一般消費者が思うのも無理はないだろう。回りまわって景気が良くなりますよってのは、ちょっとごまかしてるようにしか感じられない。

3.FITは、パネルを設置できない素人からは一方的に不公平な制度に見える。
 制度の中身が「電力利用者全体から金を徴収して、金に余裕がある太陽光パネルを設置した人にお金が回る。しかも、パネルを設置した人はみんなからもらった金で設置したパネルで将来の電気代の負担をしなくて済む」ように見えると思う。細かくみると、不公平ではないような仕組みがあるんだとおもうけど、具体的にどれくらい公平なのか(不公平が是正されているのか)が伝わっていない以上、大多数の設置できない人(場所がない、金がないなど)の支持は得られずFITは進まんと思う。みんなから集めた金で発電設備を作って発電するのは、電力会社がやってることと変わらないという話もあるが、電力会社は収支計画を立てて将来にわたって発電設備を効率的に運用することが義務付けられているが、家庭に設置した発電パネルは途中でメンテを怠ったりすれば、せっかくFITで投資した金も効率的には運用されないことになる。しかも、運用し続けるか、止めるかは設置した人の自由だ。このような差がある設備投資を同列に扱うのは感覚的に納得できるもんではないと思う。

というようなことが、整理されてなくても「感覚的」に太陽光発電に対して投資をするかしないか という段になって影響しているんではないだろうか。
これらは、適切な説明をすれば解消するものだと思うので、推進派の方の説明に期待したい。

じゃ、お前はどうするのかと言われると、ぶっちゃけ 海外のだろうが国内のだろうが、太陽光パネルが安くなってから設置するのが一番お得だと思う。FITがあろうとなかろうと、それが一番得に思えるのだが、どうだろう?
 
 
  

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